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だいぶ、下書きが溜まったので晒し

1:広まった「朱志香犯人説」と、真里亞の怒り。 見かねたさくたろうが、真里亞に抗議するシーン
\
「もし、悪気があってやったんじゃないなら、ちゃんと事情を説明すればいい。
 もし誰かに曲解されてああなったのなら、本来はどういう意味で書いたかを教えればいいんだよ。簡単だよね?
 最低限の義務だよね。 縁寿はそれをしないんだよ? 黙ってうつむいていれば許してもらえるとでも思ってるのかな?
 どう受け取られても文句は言えないよね。」
\
「それができると思う?
 さっきの縁寿は、明らかに酷く参ってる様子だったよ!
 そんな状態の縁寿が、一方的に怒鳴られて恫喝されてきつく責められ続けて、何を反論できると思う?」
\
「あのさあ。 私は、反論するななんて一言も言ってない。 否定したいんなら、否定してもいいって言ってるんだよ。
 それなのに反論しないって事はね、私の言い分を肯定しているのと同じなんだよ。」
\
「ちょっと真里亞。僕だっていい加減怒るよ。
 真里亞には、縁寿が今までどんな思いをして一人で生きてきたか、わからないの!
 怯えて、本当の事が言えない縁寿をわかってあげるのが、仲間ってもんじゃないの?
 どうして、久しぶりに会う妹弟子相手に、そんな冷たい言葉しか言ってあげられないの?
\
 どうして、真里亞は嘘ばかりつくんだよ……。
 縁寿の”朱志香犯人説”が無かったら、朱志香は死ななかったっていうの?
 そもそも真里亞が”生きている朱志香”と最後に会ったのは、いつの話だよ!」
\
「私は、”縁寿の朱志香が死んだ”とは言ったけど、”肉体が死んだ”とは一言も言ってないよ。
 日本語って難しいよね? 同じ”死んだ”という言葉ひとつにもいろいろなニュアンスが込められる。
 例えば、”社会的に死んだ”とか。」
\
「それに留弗夫叔父さんと霧江叔母さんの過去だって全部デタラメじゃないか。
 近親相姦? レイプ? 戦人の母親が楼座? 留弗夫と霧江が人の秘密を探ったうえで脅迫するような酷い奴で、今の縁寿そっくり?」
\
「縁寿本人が認めたんだよ? それも直筆の反省文に鑑まで押して。」
 真里亞は、ヒラヒラとこれ見よがしに涙でよれよれの書類を見せる。
\
「僕には、全部八つ当たりにしか見えないよ。
 いくら、今の縁寿が、誰に何を言われても反論できない状況だからって……。
 ただ傷つけて貶める事だけが目的の嘘で憂さ晴らししていい理由にはならないよ!」
\
「ハッ? そんな綺麗事で、あの子のやらかした事が消えると思ってる?
 魔女を騙って、親族丸ごと皆殺しにしたうえ、証拠隠滅のために島を爆破で黄金を独り占め?
 偽書やメッセージボトルで、恋のライバル紗音に濡れ衣着せて、悠々自適の逃亡生活?
 どこに、そんな悪人がいるの? 
 もしそんな奴がこの世に実在したら、私がそいつを殺したいくらいだよ。
\
 いないんだよ六軒島には。 自分の利益や欲得のために人を殺した人なんて。
 どうして、みんな死ななきゃいけなかったの……?
 私たちがやったのは、楽しいハロウィンパーティの準備だけ。
 人の死なない、嘘っこの殺人事件計画。
\
 それでどうして、みんな”い”なくならなきゃいけなかったの?
 何で、どうして? 事件からもう何年経ったと思ってるの?
 全てはもう終わったと思ってたのに、今更どうして……朱志香があんな言われ方しなきゃいけないの?
\
 朱志香ベアトの計画は、誰かが本当に死んでしまっちゃ、成り立たない。
 計画に込められた想いはね、失った愛と絆を取り戻す魔法なんだよ?
 取り戻せなくなった時点で大失敗。 死んだ人は絶対に生き返らない……っ!
 それなのに、どうして殺さなきゃいけない!?
\
 何が朱志香犯人説よ!
 何のために、ベアトの正体を隠したと思ってるの?
 中途半端にだけ、知られるのが一番最悪だから、わかる人だけわかるように謎かけにしたのよ。」
\
「縁寿が発表したのは、マリアージュ・オブ・ゴールデンウィッチだよ。
 僕らの魔女同盟から人間関係を考察する話で、朱志香がベアトだとは書いてあったけど、朱志香が犯人だなんて一言も言ってない。」 
\
「何が違うっていうの?
 読んだ人の大半が朱志香犯人説に流れて、ネットを炎上させたんでしょ?
 つまり、誰もがそう受け取って当然の物を縁寿は書いたのよ。
\
 今更、ベアトリーチェが犯人じゃないって言っても誰も信じてくれない。
 わかりきった事じゃない。
 そんな世界で、パンドラの箱の蓋を開けたらどうなるかなんて……。
\
 信じる人が多ければ、どんな嘘でも真実になるのがこの世界のルール。
 パンドラの箱の中から、災いばかりが飛び出してくる理由は簡単。
 箱の中から出てきた物を、片っ端から一方的な悪意で解釈する人間が、この世には多すぎるから。」
\
 だから、私は真実の箱の蓋を守り続けた。
 でも、この世の全ての理解を退けたわけじゃない。
\
 せめて、彼女の事を心から愛する人にだけは、気づいてほしかった。
 この世界の誰にも、ベアトの事をわかってもらえないのは、あまりにも寂しすぎるから。
\
 その気持ちの結晶が、途中から受け継いだ偽書の物語。
 愛のない人間を煙に巻いてフルイにかけるお話。
 それでも、理解してくれるような愛のある人は必ずいる。
 信じて、ただ祈り続けた。
 散りばめられたわずかなヒントで、真実に至る奇跡の出現を。
\
 でも、その祈りは結局裏切られた。
 まさか、想像もしなかったわ。
 悪意によって真実に至られるなんてね!
\
 それも、7年前全然人の気持ちに……私や天草の気持ちに気づかずに、愚かな道を選んだ縁寿にっ!
 魔法なんて、悪意で人を騙すための手品? 天草が優しいのは自分を騙して陥れて暗殺するためだから、殺さなきゃ駄目?
 天草は小此木を……権力の椅子のために人を切り捨てるゲス野郎を裏切って、縁寿を連れて私のところに連れてくるつもりだったのに……。 縁寿あんた、幼い頃からどれだけ天草に可愛がってもらったと思ってるのよ!
 傍にいた、たった1人の最後の味方を、どうして信じられなかったの!」
\
「真里亞こそ、わからないの?
 今の縁寿の気持ちがわからないの? 悩んでるんだよ、苦しんでるだよ。
 今の縁寿は3つ目のエピソードの時のベアトと同」
「一緒にしないで! 重たい過去を、記憶をそんなに軽々しく扱わないで! 違う! 違う! 絶対に違う! ありえない! 
\
 もし中途半端に悩んだり罪の意識持たれてたら迷惑。
 それだったら、復讐のつもりの方がまだマシよ。 してやったりと心の中でほくそ笑まれた方がまだ……。
 心置きなく、遠慮なしに恨みや憎しみをぶつける事ができるもの。
\
 今更、『そんなつもりはなかった』『反省している』なんて言われて、遣りようのない気持ちはどこにぶつければいいのよ!
\
 せっかく天草と2人で頑張って”終わりにして”、事件の事を風化させたのに、これじゃ、昔と全然変わらない……。
 むしろ、前より酷くなってる。 
 今まで、私や天草がやってきた事は何だったっていうの?
 うわぁぁぁあああああああああっっっ!」


2:「朱志香犯人説」が広まる過程と、さくたろうモノローグ。 やってくるウィラード・H・ライト

\
「縁寿が投稿したコミュニティでは、最初は変な穿った書き込みは少なかったし、僕らの魔法についての理解者だっていた。
 文々速報ってブログが現れてからだよ。流れがおかしくなったのは。」
\
 2話は、原文では朱志香ベアトと金蔵や真里亞の関係を平等に扱われてたのに、文々速報が『驚愕! 金蔵の愛人ベアトリーチェは孫娘の朱志香』とスキャンダラスに広めた。
 多分、派手な見出しでアクセス数を稼ぐためだと思う。
 ブログにベタベタ大量に貼られた広告を見ると、お小遣い稼ぎも兼ねてるんだろう。
 真里亞とベアトの関係は、おまけTIPSとしてひっそり紹介されただけだった。
\
 3話は、本来は朱志香が”自分でない自分を内に持つ事”に至るまでの話。
 理御になるのも、ベアトになるのも、いつだって他の誰かのために、弱い自分を奮い立たせるための自己暗示だった。
 勉強のできない朱志香が、夏妃や蔵臼に認めてもらうために頑張るのは悪い事?
 真里亞や金蔵の孤独を癒すために、二人の望む自分になろうと努力するのは悪い事なの?
 絶対に、『多重人格者ジェシカ・ベアトリーチェの狂気!』だなんて笑いものにしていい話じゃない。 
\
 4話は、多分一番原型が無くなってた話だと思う。
 元々は、白と黒、2つの魔法を説明した話だった。
 でも、いつしか朱志香が物語を執筆する中で、どれだけ嘘をついて誰かに濡れ衣を着せたのかばかりが話題になった。
 、ちょw朱志香黒い魔法使い過ぎwwwwって感じの話題ばかりになった。
\ 
 今回、文々速報がつけたタイトルは、『黒き魔法。魔女には何枚舌があるのか! 恐怖のメッセージボトル。』。
 酷い内容だった。 記事の中では、ベアトの物語は全て証拠隠滅と捜査かく乱のための道具としてしか扱われてなかった。
 コメント欄では、朱志香がどれだけ酷い奴かという話題で盛り上がった。
 縁寿の原文で並べて説明されたはずの白き魔法についての話は、誰もしていなかった。
 込められた”か弱き真実”は、文々速報の”強き真実”によって完膚無きままに黒く黒く塗りつぶされた。
\
 5話は、原文に描かれていた、子供時代の朱志香の孤独を、『人殺しの魔女は如何にして育ったのか』という穿った方針によって読み替えられた。
\
 親同士のいがみ合いと、無理やり行かされたたくさんの塾と習い事。
 優秀な譲治へのコンプレックス、スパルタ教育を押し付けた親への逆恨みが、どう朱志香の人格を歪めていったのかを、物凄く詳しく執拗にネチネチと書かれていた。
\
 6話は、原文の時点で譲治や秀吉の死後、絵羽が夏妃を犯人だと決めつけた理由が、「出来の悪い朱志香が娘だから、譲治を殺した」という傲慢な決めつけが原因だと明記されていたのが悪かった。
 事件後、絵羽1人だけ生還して、世界中から犯人扱いされた理由が、コンプレックスの塊の朱志香による復讐という事で満場一致で可決されてしまったのだ。
\
 原文では、一言も「朱志香の復讐と絵羽の生還」の関係には言及していない。
 「絵羽の罪」が、傲慢な思い込みや決めつけを、例え嘘でも押し通すワガママさの事だと言っていただけのように見えた。
 恐らく、エヴァ・ベアトが原作中盤EPで黒い魔法の象徴として描かれた理由への考察だった。
\
 事実、蔵臼と絵羽の対立が内紛を呼び、長男一家の会社と、長女一家の会社は、まるで敵同士のように対立していた。
 例えば、相手側が何か企画を立てれば、わざわざそれと競合する企画をぶつけ、お客さんを食い合って共倒れしたり。
 同じ右代宮なのに、どうしてつぶし合うのか、僕にもわけがわからなかった。
\
 事件前の右代宮4兄弟は全員ボロボロだった。
 経済、精神、人間関係、何もかも酷い状態なのに、互いに支え合えなかった。

 だって、それが本当の事実だもの。
 辛い時、苦しい時、怖い時にお互い信じ合えなかったから、みんな死んじゃったんだ。
\
 作り物の死体。 動く死者。 紛らわしい小道具。 怪しい手紙。
 子供たちのハッピーハロウィン狂言殺人計画の成功のために口裏合わせする使用人たち。
 悪戯だと見抜けるだけの余裕が、誰にもなかった。
\
 殺されたくないから疑う、誰も信じられず疑心暗鬼になる。
 その中で、やがて本当に人が死んでしまう。 余計に疑心暗鬼は広まっていく。
 最悪の負の連鎖。
 これが、縁寿の本来の考察だと僕は解釈する。
\ 
「世紀の痛快大復讐劇。絵羽よ憎いお前を犯人にしてやる!」と見出しが躍る、文々速報。
 多分、ここの管理人は、明確な悪意があってやってるわけじゃないだろう。
 手練れのウィッチハンターが悪意を持ってやるなら、右代宮同士の対立ネタで効果的に揺さぶってくるはず。
\
 それをせずにピント外れで明後日の方向のタイトルや内容。 多分、ここの管理人は、ごく最近に六軒島事件に興味を持ったばかりの新参ウィッチハンターだと思う。
\
 ブログのプロフィール欄を調べてみると、ハンドルネームは”古戸アヤヤ”。
 『ちょっぴり噂話が大好きな、ピッチピチの現役女子高生ウィッチハンター』らしい。
\
 どうやら、『ちょっぴり大好き』な噂話に花を咲かせて盛り上げるために、やっているらしい。
 ただ、純粋に原文の作者の気持ちを理解せずに、文章を無断で転載して、勝手な解釈ばかりをつけ加えて。
 ただ無邪気に朱志香のゴシップネタで遊んで、コメント欄の人とワイワイ盛り上がりながら、ちょっぴり気軽にお小遣い稼ぎしたいだけ。
\
 本当に、馬鹿で無邪気な女子高生。 ただ、それだけ。
 これならまだ、右代宮に恨みを持つ人間が、わざと扱き下ろしてきた方がマシだった。
 気持ちのぶつけどころがある分、まだ……。
\
 7話は、今までの集大成といった感じで、徹底的にこき下ろされた。
 どこから引っ張ってきたのか、麻薬中毒だの、暴走族だの、わけわからない俗説をバランス考えずにぶち込んだ『現役女子高生古戸アヤヤ』。
 そのせいで、紗音や嘉音との真実は闇の中に飲み込まれて、消えていった……。
\
 最後に残されたのは、継ぎはぎだらけで、まるでキメラのようなおぞましい物体。
 グチャグチャでわけのわからない右代宮朱志香像。
\
 多分、古戸アヤヤは、『本当の真実が何か』には興味ないんだと思う。
 もしそうなら、たとえ的外れでも間違いだらけでも、ちゃんと朱志香に見える朱志香に。朱志香の形をしている朱志香になっていたはずだから。
\
 それは、ここのコメント欄に集まってきた人たちも同じだった。
 ただオモチャで遊びながら、その感想を言い合って馴れ合いをしたいだけ。
\
「愛がネェなぁ。 そこの連中にはよ。」
「ウィルさん!?」
\
「なぁ、さくたろう。 こんな言葉を知ってるか?
 『文章は、書き手の心を映す鏡』って言葉を。
\
 文章を読むときに、一番大事なのは、文中に書かれた個々の事柄の真偽を追う事じゃねェ。
 書き手が『どんな気持ちでそれを書いたか』だ。
\
 しかし、病んでやがるなあ、”古戸アヤヤ”って女子高生さんもよ。
 コメント欄の奴も、一人くらい気づけばいいようなものを。
\
 俺なら、コメント欄にこう書き込むぜ。
 『アヤヤさん、何か嫌な事でもあったんですか?
 お困りならば、俺が力になってあげます。』てさ。」
\
 さくたろうは、ウィルの予想外の言葉に驚いた。
 古戸アヤヤは、さくたろうの目から見たら、ただの加害者。
 面白半分で、人の文章を転載して、改変するようなモラルがない人間。
 他人を嘲って笑いものにしても、罪の意識も持てない馬鹿で無邪気な女子高生のはずだった。
\
 でも、ウィルの目にはこう映った。
「失恋って、やっぱ辛いよな。
 それも、彼氏奪った相手が自分の親友だったりしたら、面と向かって親友悪く言えネェよな。
 そういう気持ちって、どこにぶつけたらいいんだろうな? 壁でも殴るしかねェよな、やっぱ。
\
 あと、多分この子小さい頃に、習い事ばかりで苦労したんだろうな。
 それも親殺したいくらい恨む程度によ。
 そうじゃなくっちゃ、あそこまでのネチネチドロドロは考えられネェよ。
\
 ただ面白半分で、右代宮ゴシップ追いかけてるにしては、変だよな?
 まともなウィッチハンターが普通、右代宮同士の対立ネタなんて、美味しいネタをスルーするか?
 言及してるの、コメント欄の奴らばかりで、当のアヤヤ本人は”朱志香の事”しか興味持ってないなんて、どう考えてもおかしいだろ?」
\
「なぁ、さくたろうよ。
 俺は、別にただ古戸アヤヤに同情してるわけじゃない。
 今のこの状況が、案外楽に打開できるかもって、言ってるんだぜ。」
\
「え? それはどういう……?」
「俺が愛がねェって言ったのは、”そこの連中”に対してだ。
 転載ブログやってる、古戸アヤヤ自身に、愛やら思い入れやらが何もないなんて、一言も言ってねェぜ!」
\
 さくたろうの目に映る絶望の世界とは真逆に、ウィルの目には輝きがあった。
 世界を変える強い意志を秘めた、希望の光だった。
\
「なぁ、さくたろう。 ここはひとつ手を組もうぜ。
 お前は、右代宮縁寿の真意を信じてる。
 俺は、古戸アヤヤの愛を信じてる。
\
 俺たちの信じている世界を二つ合わせたら、どうなると思う?」
\
「えっと……。
 真里亞が、縁寿の文章の本当の意味を理解する。
 誤解が解けて、縁寿を許してくれる……?」
「それだけじゃない。」
\
「2人が、仲直りできる? 2人仲良く一緒に暮らせる?」
「まだ、足りないな」
\
「マリアージュ・ソルシエールに、縁寿が帰ってくる。
 昔、小さな行き違いで破門になって、追放された縁寿が……!」

「ちっちぇえな。身内しか見えてないのか?
 おい、さくたろう。お前も男だろ?
 そこはもっとデッケェ事を言えないのか?」
\
「デッケェって……?」
 ハトが豆鉄砲食らったようなさくたろう相手に、ウィルは答える。
 迷いなき強い意志を込めて、強く言い切る、断言する。
\
「『黒く染まったこの世界の真実を、俺たちが真っ白に染め直す!』くらいのさ。」

3:真里亞の反省。さっき八つ当たりで、縁寿が否定できない状況なのを事をいいことに、罪悪感に付け込んだ酷い嘘をついた事への後悔。 罪滅ぼしに向き合う、明日夢の真実。

「右代宮戦人の言う、明日夢の本名は、右代宮楼座である。
 でも、右代宮戦人は、右代宮楼座の息子ではない。
 戦人も驚いたよね。
 明日夢というペンネームで怪文書送り付けた相手がまさか叔母の楼座で。
 会っていきなり『私があなたの本当のママよ』だもの。」
\
 始まりは、楼座の嘘を、戦人が真に受けてしまった事。
 きっかけは、私の本当の父親が、蒸発した事。
 もちろん、留弗夫ではない。
 父は借金と真里亞だけを残して、いなくなった。
 楼座を置き去りにして。
\
 あの時、楼座はひとりぼっちだった。
 何故なら、周囲の反対を押し切って付き合っていたから。
 父は、蔵臼からは『軽薄で信用できない』。絵羽からは『頭が悪そう』と言われる人。
 世間一般の価値観から見ると『チャラいイケメン』。
 私から見ると『ミュージシャン志望で大口叩きながら、派手に豪遊と浪費を繰り返して自滅した馬鹿』
\
 周囲から見たら、楼座の置かれた状況は、ルックスに騙されて変な男を選んだ自業自得としか見られていなかった。
 右代宮本家からは、白い目で見られたり嫌味を言われたり。
 借金や子育ての事で助けを求めても、今更許されない状況。
\
 全て、自分一人で抱え込むしかなかった。
 週刊誌におもちゃにされて、それを読んだ世間にあざ笑われて、
 ひとりぼっちの世界で疲れ果てていた。
\
 だから、自暴自棄になっていた。
 何もかも無茶苦茶になってしまえばいいと思ってた。
 どうして、自分だけが理不尽に苦しんで、どうして本家は誰も助けてくれないの。同じ家族なのに。
 少しは理解してほしかった。それが歪んで、同じ苦しみを味わえという殺意に変わっていった。
\
 世間の評判が地に落ちた自分の事。 マスコミに、ある事無い事色々言われて、職場で変な噂を立てられて。
 自分に残った尊厳なんて、スプーンのひと匙分も無い。
 だったら、その悪評を利用して、巻き込んで、お前の尊厳も傷つけてやろうじゃないか。
 もう、私にはこれ以上失うものはない。 次にスキャンダルが起きたら、あのビルから飛び降りて自殺でもすればいい。
\
 そんな中で、思いついたのが、『戦人が楼座と留弗夫の間にできた近親相姦の息子』だという作り話だった。
 戦人は、真里亞以外の中では、最も楼座を信じている人だった。
 小さい頃、仕事で忙しい両親の代わりに、よく遊んでくれた叔母に、とても懐いていた。
 あの当時の楼座に対して『癒し系』、『常識人』なんて言葉を本気で心の底から思っていた、唯一の存在だった。
\
 戦人君なら、こんな今の私の言葉でも信じてくれるはず。
 そう思い、楼座は嘘をつく相手に戦人を選んだ。
 自分の嘘が、右代宮を崩壊させる爆弾だという事を理解しながら、優しい戦人を騙す罪の意識に苛まれながら。
\
 思惑通り、戦人は騙され、楼座の言葉を信じた。
 自分の出生の問題について父親を問い詰めたのだ。
 でも、そこからの行動は、楼座の予想とは違うものだった。
\
 なんと、戦人は留弗夫を相手に明日夢の名前を出しながらも、その正体が楼座である事を隠した。
 というより、言えなかった。 自分が近親相姦の息子だという真実を、他人に伝える勇気が無かったのだ。
 言ってしまうと、自分の今住んでいる幸せな世界が、壊れてしまうから。
 近親相姦で生まれた、可愛そうな右代宮戦人の世界になってしまうから。
\ 
 多分、当時戦人がとるべき最善の行動は、明日夢=楼座である事を隠さずに、嘘に巻き込まれた当事者の留弗夫1人だけに伝える事だった。
 そうすれば、世間に漏れる事もなく、その前に留弗夫が楼座の嘘に気づいたと思う。
 楼座がどういう気持ちでそんな嘘をつくのか、楼座がどれだけ追いつめられているか気づいてくれたと思う、留弗夫なら。
\
 何故、私がそう思うのか。
 根拠1:私なら、こういう嘘をつく時に、自分の体相手に、本当に嫌いな人の名前は出さない。生理的に嫌。
 根拠2:私の父が、私の目から見て凄く留弗夫に、よく似てたから。
 根拠3:私から見た留弗夫像が、決して悪い物ではなかったから。
\
 家族で集まるたびに、おどけてふざけて盛り上げ役を買って出るひょうきんな叔父さん。
 子供の前で馬鹿をやっては、霧江に冷静に突っ込まれて、一瞬へこみながらもめげずにボケて、笑いを買って。
 多分、毎年の親族会議で、親同士が揉めているのを見て、子供がどう思うかを内心気にしていた。
 だから、真面目な話し合いの時以外は、子供たちを楽しませようとしていた。
 色々と、他人に気遣いができる人。 でも、照れ臭くて自分のその気遣いを必死で隠す人。
\
 そんな留弗夫だからこそ、本当の真実を伝えれば、ちゃんと伝わったと思う。
 楼座の抱える様々な問題を、解決に向けて兄として精一杯努力してくれたと思う。
\
 皮肉なことに、戦人が誰にも楼座の名前を出さないせいで、明日夢という幻想が否定されるタイミングを逃し、残ってしまった。
 この世に明日夢という人間は存在しない。
 いくら留弗夫が問題の解決のために努力をしようと、手紙の中の明日夢という人間に、会う事も、事情を説明してもらう事も不可能なのだ。
\
 近親相姦の戦人になる事を恐れ、楼座の名を口にする事もないままで、戦人は留弗夫に「俺の出生の秘密を白状しろ」と何度も何度も繰り返した。 
 一言、明日夢の正体を話せば、楼座の嘘だと簡単にわかる話。
 戦人に、ろくな説明責任を果たさないまま、「白状しろ」と繰り返されたところで、留弗夫には身に覚えが無い事。
 だから、どうする事も出来なかった。
\
 最初は、戦人が帰ってくる時間が遅くなった。
 家に帰るのが嫌な戦人は、夜遅くまで町を遊びまわっていたからだ。
 夜も友達の家を泊まり歩いた。 家に帰って、嫌いな留弗夫の顔を見たくなかったから。
\
 全然、家に帰ってこなくなった。
 学校の寮に住むようになった。家には、たまに顔を見せるだけになった。
 時々、海外旅行と言って、大嫌いな父親のいる国から出ていく事もあった。
\ 
 戦人の認識では、留弗夫は妹を無理やり孕ませた挙句に、発覚を恐れ、証拠隠滅に走ったことになっていた。
 留弗夫が金を積み情報操作をして、妊娠した妹の相手の男を赤の他人という事にした。
 同時期に妊娠した霧江の子供が死産だった事をいいことに、赤ん坊をすり替えて、戦人を霧江の子供として育てた。
\
 子供の頃、楼座叔母さんが優しかったのは、本当の母親だから。
 仕事でいつもいない霧江さんと違って、いつも傍にいてくれたあの人が、嘘なんて言うはずがない。
 ちょっとからかうだけで、慌ててオドオドするような癒し系。
 でも、どんな時も間違った事をしない、子供だからと見下したりしない、同じ高さの目線で見てくれる常識人。
\
 そんな人が、自分の産んだ子供を育てられないってどんな悲しい事なんだろうな。
 望んだ子供じゃないって言うのに、あんなに色々なところに連れて行ってくれて、何でも好きな物を買ってくれて……。
 どんな気持ちで日々を過ごしてきたんだろうな。
\
 何の責任も取ろうとしないクソ親父。
 どういうつもりで、日々を過ごしてきたんだろうな。
\
 楼座さんが……いや、俺の本物のお袋が、酷い男に甘い言葉で騙されて保証人にされて、娘と借金だけ作って逃げられて……あんなに周りから悪く言われてさ。
 あれ、どうして起こったか、あのクソ親父はわかってるのか?
 お袋は、寂しかったんだよ。だから、クソ親父に面影が似てる男に、コロッと騙されたんだよ!
 過ちを犯したんなら、最後まで責任を果たせっていうんだよ馬鹿野郎!
\
 もちろん、留弗夫も何もしなかったわけじゃなかった。
 妻の霧江に今までの女性関係を全部晒した上で、捜査の協力を求めた。
\
 意固地になっている戦人を説得するために、産婦人科を含め、様々な書類を見せた。
 それらはすべて、戦人が霧江の息子である証拠だった。
\
 戦人は、それらを全て跳ね除けた。
「俺が見たいのは、金で作った偽造書類なんかじゃない。
 ちゃんとした真実が掲載されてる、本物の書類だけだ。」と。
\
 戦人にとって、真実は1つだけだった。
 自分の母親が明日夢だと、楼座だと素直に認めてくれる証拠だけが真実。
 それ以外の証拠は、いくら留弗夫が探してきても、どんな真実が掲載されていようとも、全部偽造書類。
\ 
 楼座は、その様子を知りながらも、本当の”明日夢の真実”を誰にも言わなかった。
 戦人にも、言う事を求めたりはしなかった。
 まず、口にする事で自分の”近親相姦説”が広まるのが怖かった。
 でも、それは理由の1つに過ぎなかった。
\
 もっと大きな理由は、突然降って湧いて来た夫の愛人問題で苦しむ霧江の姿と、それを見た自分の中から生じた黒い喜びだった。
 楼座は、嫌いな霧江の不幸が、嬉しかったのだ。
 何故、霧江?
 私の挙げたさっきの3つの根拠から、楼座の留弗夫に対する感情と、霧江に対するモヤモヤとした感情は大体想像がつくから。
\
 本当は、霧江じゃなくて、自分が留弗夫と結婚するつもりだった。
 自分が妹じゃなかったら……。
 楼座じゃなかったら……。
\
 子供の頃。魔女っ子アニメに憧れていた。
 魔法の呪文を唱えるだけで、憧れのナースさんにも、婦警さんにも何にでもなれる……。
 変身願望を叶えるために、服を作る仕事を選んだ。 でも、全然望む自分になれなかった。
 
\
 この結論に至った理由は簡単だよ。 子供の真里亞の戯言をスルーできずに、ヒステリックに魔法を否定しなきゃいけないのは、あれ絶対、自分がその”魔法”に裏切られたからだよね。
 だから、無邪気な子供に八つ当たりして……私も大人になったから言える事だけど、あれ八つ当たりをしてる方も、痛いよね。
 色々な意味で、痛いよね。 行き場のない思いに耐えられなくなって、あんなボロボロで憔悴しきってる縁寿に無茶苦茶言って。
\

 どんな服を着ようと、楼座は楼座。 要領が悪くて、いつも損ばかりしている弱虫の泣き虫の楼座のまま。
 仕事は全然うまくいかない。 内気で全然友達できなくて、失敗だらけで怒られて、笑われて。
 他の誰になる事も、嫌な自分を捨てる事もできない。
 望めばいつでも、楼座じゃない自分になれる、そんな魔法がもし、この世に存在したなら……。
 好きな人に、愛してもらえる私になれるなら……。
\
 楼座が、明日夢になれる魔法の手紙。
 それは、兄の留弗夫に愛されていい存在になれる素敵な魔法。
 それが同時に、自分を差し置いて留弗夫の妻の座にいる、悪い虫を追い払う呪いにもなる。
\
 この手紙は、自分を戦人くんの母にもしてくれた。
 家出状態の戦人君が、たまにひっそり会いに来てくれる。
 そして、傍で優しく囁いてくれる。
 『カァサン』と。
\
 一緒に海外旅行にも行った。
 魔法の手紙のおかげで実現した、戦人君との初めての海外旅行。
\
 旅行先では、お互い本当の親子として振舞った。
 正体ばれないように、軽く変装していたのもあって、まるで自分が本当に『明日夢』という名前の女性で、戦人君の母親になったみたいだった。
\
 もちろん、こんなの何の解決にもなってない。
 何もかも気休めの慰めでしかない。
\
 次男一家は、家庭崩壊状態。
 次女一家の、楼座の本当に抱えている問題はさっぱり解決されないまま。
 妄想の中で変身願望を叶えたところで、現実の楼座は、孤独でみすぼらしい楼座のまま、どんどん悪くなる一方。
 嘘で霧江に復讐して、霧江がいくら苦しんでも、楼座が本当に救済される事はありえない。
 海外で、嘘の親子関係を楽しんでも、戦人が自分の息子になる事は絶対にありえない。
\
 無能。本当に戦人は無能。
 自分が臆病で真実に立ち向かう勇気もない癖に、他人にだけ真実に向き合う事を要求して……。
 本当の真実なんて、手に入るわけが無いじゃない。
\
 考える中で最悪の答えを選んで、右代宮家に不幸を増やした。
 得られただろう最良の結果と、起きてしまった最悪の結果。
 比較すればするほど、本当にため息が出る。
\
 そんなとき、ふと思った。
 もし、楼座が私の望む最良の結果と、同じことを考えていたらと。
\
 もし、楼座の行動がただの自暴自棄じゃなかったとしたら。
 私の思う最善の行動を、戦人が取ってくれる事が最初から目的だったとしたら……。
\
 いつしか、私の中の楼座像は、大人でも母でもなく、小さな子供になっていた。
 大人の気を引くために、ダダをこねて大声でわけのわからない事を泣き叫ぶ。
\
 目を閉じると広がる、幻想的な情景。
 緑あふれる美しい六軒島で、私より幼い子供の楼座が、わけのわからない嘘をついて兄の留弗夫を困らせる。 そんな構図だった。
 楼座の言葉は、支離滅裂だった。何一つ筋の通らない無茶苦茶なものだった。
 普通なら、聞く価値もないような戯言ばかり。無視されて、そっぽ向かれて、見捨てられても仕方がない事ばかり。
 でも留弗夫は、どうしたんだ?と、幼い楼座の言葉に耳を傾ける。
\
 留弗夫は気づいたのだ。
 今の楼座の様子が、ただごとではないという事に。
 泥にまみれてボロボロな服、擦りむいてケガもしている。
 この状況で、言葉面だけで捉えて、置き去りにしていいのか。
 多分、良くない。
\
 楼座が嘘をついた本当の理由は何だ?
 留弗夫は必死に思考を巡らせる。
\
 楼座は俺に何を望んでる?
 俺に、何をしてほしい?
 本当は、何が言いたい? 何を伝えたい??
\
 ってオイ、楼座。 お前っ泣いているじゃないか。
 留弗夫は、ポケットからハンカチを取り出して、『まずは顔ふけ』と楼座に手渡す。
 昔、してきたのと同じように。
\
 そうだ。 今、必要なのは、何が真実かではない。
 目の前で泣いている楼座がどうやったら、また元気になって笑ってくれるのか。
 他の全ては、後回しにして、今はそれだけを考えるべきなのだ。
\
 「べろべろばあ。」
 留弗夫は、まるでにらめっこをする時のような変な顔を、楼座に見せる。
 昔、いつもしてきたのと同じように。
\
 真面目な相談事は、頭の悪い俺には無理だ。
 でもな、おどけてふざけて、お前を笑わせる事は、大の得意なんだよ!
\
 さっきまで、泣いてばかりだった楼座は、一瞬何のことかと目を白黒させて、面食らう。
 やがて状況を飲み込むと、堰を切ったように、さらにわあわあと大泣きする。
 失敗したかなと、不安になる留弗夫。
 その時だった。 楼座が、留弗夫に抱き付いたのは。
\
 抱き付いたまま、しがみついたまま、いつまでも泣き続ける楼座。
 これじゃ、しばらくこいつの本音はお預けだな。
\
 楼座をそっと抱き寄せると、優しく頭を撫でる。
 そして一言、こう言う。
\
 「何が不安で悲しいのか知らねえが、心配するなよ。
 俺は、ここにいる。
 いつだって、どこだって、泣いてるお前の傍になら、必ず俺がいる。
 『いつかまた、白馬に乗って迎えに行く』って言ったじゃねえか。」

\
 今となっては、絶対に叶わない奇跡。
 泣き虫な薔薇のお姫様楼座を不安な世界から救い出す、白馬の騎士留弗夫。
 
 4:ベアトと真里亞。獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす

「うー、疲れたよベアトリーチェ~~。
 全身土埃でどろどろ~。 もう、コケるのも膝すりむくのも、嫌~。
「真里亞よ、そなたは空を飛びたくはないのか?」
\
「うー。飛びたい。 ホウキに跨って、自由にビュンビュン空を飛びたい。」
「だったら、練習あるのみだ。 妾だって、何度も転んで傷だらけになって、やっと飛べるようになったんだぞ。」
「うー、ベアトの魔法で真里亞を飛べるようにしてよ~。簡単でしょ。」
「ダメだぞ真里亞。魔法というのは、努力して自分の力で身に着けないと、意味が無いんだぞ」
\
 妾が真里亞の手助けをするのは簡単だ。
 でも、それだけだと、妾の手助けがないと
 真里亞のために心を鬼にする。
\
 例え膝を擦りむいても、泥だらけになっても、諦めるな。
 自分の力で、成し遂げて強くなるのだぞ。
 ディアーライオン―――親愛なる子供ライオンへ
 黄金の魔女から贈るメッセージ。」
\
「……もしかして、それ自転車?
 真里亞ちゃん、自転車に乗れるようになったの?」
「当たり。」
\
―――獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす。でも、それは憎くてやってるわけじゃないんだよ―――。
\
「どうして、あなたはいつもいつも…。 少しは譲治君を見習いなさい!」
「うるせー。 私は譲治君じゃ、ありません~、朱志香です~。」
\
「ごめんなさい。すいません。 どうかあの子を許してやってはくれませんか?」
(問題起こした私の代わりに、謝って……。
相手の人から、あんなに怒鳴られて嫌味を言われても、それでも私を庇うために、頭を地面に擦りつけてまで……。
私みたいな出来損ない、放っておけば楽なのに。)
\
 獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす。でも、それは憎くてやってるわけじゃない。
 それは、夏妃さんとジェシの関係。
 何度も何度も突き落とされているうちに強くなったライオン、それがジェシ。
\
 「あの子に立ちはだかる困難な世界に私は無力。嫌になるくらい何もできない。
 だからこそ、思うんだよ。せめてずっと傍にいてやりたいって。」
\
「私がいない時、あいつ1人だろ?
 だから、たまに遊びに来た時に、一冊ずつ手作りの絵本をおみやげに持たせるんだよ。
 そうしたら、ほら? 会いたいときに、いつでも会えるじゃん。
 魔女ベアトリーチェの魔法の絵本だよ~って、言ったらあいつ本気で信じるし」
\
 学校でいじめられた時、寂しい夜を一人で過ごす時。
 ふと思い出してページを開けば、もう真里亞は独りじゃない。
\
 本の中から飛び出してくるのは魔女の世界。
 世界は、無限の広がりを見せ、この世の闇をすべて、白き幸せの世界へと塗り替えていく。

\


5:孤独の真里亞。

\
「うー。真里亞と遊んでよー。」
「仕事が忙しいのよ! あーもう、疲れてるから静かにして!」
\
「また、あの子一人で夜中の買い物に?」
「こんな遅い時間に、お母さんはどうしたのかしら?」
\
 オフィスに電話がかかってきた時の事だった。
\
「娘さん可愛そうね。本気でアレがお仕事してるなんて思い込んで。」
「オバハンが毎日毎日、20代前半までの若いイケメンと必死になって関係作ろうとしてるけど、ああいうのって恋愛依存症って言うのよね?」
\
「やっぱ、モトカレに逃げられたショック大きいんじゃない?
借金の保証人になってまで尽くしつづけた相手が、煙のようにドロンだもんね。
元々、右代宮の名前と金だけが目当ての”愛のない”付き合いなのに、どうして見抜けなかったのかしらね?」
「根本的に人見る目が無いのよ。我が社の売り上げも悪い理由もきっとそれ。」
\


6:ツンドラ真里亞は誰に似た?

「うちみたいにガミガミやかましいのも問題だけど、真里亞みたいなのも寂しいよね。
 だから、たまにうちに来た時は、できるだけずっと真里亞と一緒にいてあげる。
 少しでも真里亞の寂しい時間を減らせるように、さ。
 できれば、私もずっと真里亞と一緒にいてやりたいんだけどさ。
 うちから本州はやっぱ遠いよね。 学校も忙しいし。」
\
 私がいない時でも、一人でなんとかできる強い子に育ってほしい。
 だから、厳しくする。 これは愛の鞭だった。
\
真里亞と自転車と言えば、始まりは親族会議の時の余興で留弗夫が開催したくじ引きだった。
最後の親族会議では、蔵臼の金蔵隠蔽と、自分の息子の事で余裕がなくできなかったものの、大体こういう時の宴会部長は留弗夫だった。
\
「パンパカパーン。おめでとう真里亞ちゃん。二等の自転車だよ。」
「うー。パンパカパーンだ~!」
\
「まだこの子には早いと思うわ。」
「確かに。真里亞は三輪車の方がいいかも?」
「うー、早くない。真里亞だって自転車乗れる~!」
\
「補助輪は、人類最高の発明の一つだと思う。」
「きひひひひ。余計な事を言う朱志香はベアトリーチェに呪われるよ?」
\

「二人っきりの時は、私をベアトリーチェ扱いで、デレデレ~なのに。
 他の奴がいる時は、私を呼び捨てで馬鹿にするような憎まれ口ばかり叩いて。
 『そういう子の事をツンドラって言うんだよ。BY右代宮譲治。』
 ああ、誰に似たんだろうな~。本当。」
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現在、朱志香犯人説解を作成中。ベアト理御=朱志香=うみねこのなく頃に原作者、狂言殺人事件説とその動機は「マスゴミにバラバラにされた信頼関係」というラインで考えています。
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